エルサルバドル　サンタ・リタ農園　ブルボン（ナチュラル）

＜懐かしのコーヒーを頼って＞

毎年春～夏は、新豆を探すのが難しい時期になってきます。
生産国の地域によって日本に新豆（ニュークロップ）が届く時期は異なるのですが、エチオピアやケニア、当店でも主力の中米諸国は、夏の終わり～秋に来ますので、半年以上経つと入荷できる銘柄が少なくなってくるのです。

当店の今シーズンのラインナップでちょっと困っているのは、ナチュラル精製のコーヒーを揃えられていないことです。
もちろん、新豆枠で入荷したのですが、継続して販売できるコーヒーを見つけることができていないので、ほとんど１種類しかない状況が続いています。

何とかしてナチュラル精製のコーヒーを増やしたいなあと考えながら、仕入れ元のリストを眺めていると、懐かしい農園の名前が。

エルサルバドルのサンタ・リタ農園。

お店を開業する前、自宅で焙煎していた頃に購入して焙煎したことのある農園で、この頃からこちらの仕入れ元では定番の農園です。

当時焙煎したのはウォッシュドだったのですが、同じブルボンのナチュラル精製がありましたので、今回はその安定感に頼ることにしました。

＜元々の甘みと梅を思わせる甘酸っぱさ＞

何せ１５年ぶりくらいに焙煎するサンタ・リタ農園だったので、穏やか系だった気がしたけど、どんな風味だったかな？と思いながら飲んでみたのですが、丸みのある甘みが。

この甘みを感じた時に「そうそう！こうだった！」と急に記憶が蘇って懐かしかったです。
今考えると、ブルボンのコーヒーで出てくるタイプの甘みなのですが、当時はもちろん判別できず、このコーヒーが改めてしっかりブルボンの特徴が出ているコーヒーなのだと認識しました。

それに加えてナチュラル精製のフルーティな風味もしっかり感じられます。
甘酸っぱく感じられますが、連想するのは梅や木苺あたりでしょうか。
ストロベリーなどと比べると、もう少し渋みを伴った甘酸っぱさのように思います。

焙煎度合は、ど真ん中シティローストにしました。

もう少し深めに焙煎すると実が完熟したような風味が増して赤ワインに寄っていくのですが、せっかくの甘酸っぱさが弱くなってしまうので、多少甘酸っぱさが残るくらいを狙っています。

豆の選別をしていても、ナチュラル精製なのにこれだけキレイな豆は、生産者が意識的に作っていないと実現できないと思います。 定番商品となるのが分かるなあという安定感。ナチュラル精製でも十分に感じられます。

【豆についての情報】

生産国：エルサルバドル
地域：ソンソナテ県フアユア
品種：ブルボン
精製：ナチュラル