グアテマラ　ハスミネス農園　ティピカ（ウォッシュド）

＜ティピカ枠、３度目の登板＞

当店にはオープン以来、「ティピカ枠」と呼んでいるコーヒー豆があります。
これは文字通り、「ティピカ」という品種のコーヒーのことを指しているのですが、店主が以前からこの品種の香りと風味が好きなので、「常に１種類は販売していたい」という気持ちから何とか探して入荷しているコーヒーです。

ティピカはアラビカ種の中でも原種に近い品種で、風味は良いのですが樹高が高い、収穫量が少ない、病気に弱いなどの理由で生産量が減っていて、ティピカのみのロットというのは希少になってきているのです。

この枠のコーヒーはグアテマラとパナマの農園で繋いできています。

主観になりますが、ティピカには風味が２タイプあると思っていまして、「ハワイコナ系」と「ブルーマウンテン系」に個人的に分けています。日本ではどちらも有名なコーヒーですが、両方とも品種的には同じ「ティピカ」です。

グアテマラとパナマのティピカは共通した「ハワイコナ系」の風味と香りがあり、当店のティピカ枠はこの「ハワイコナ系」のコーヒーを選んで入荷しています。

この２シーズンはパナマの同じ農園を販売していたのですが、今シーズンは入荷されないとのことなので、５代目として販売していたハスミネス農園を復活させることにしました。

＜全体的に優しく甘い風味＞

いつもこのコーヒーは香ばしくてコクのある印象ですが、今回のクロップは優しいです。
香ばしさなどの強い印象よりは、もっと繊細な細い雰囲気のコーヒーです。

その分、酸もハッキリ出るポテンシャルになっていまして、そこが突出してしまうのは不本意なので、焙煎を工夫しています。

焙煎度合はシティローストにしています。
焙煎度合は結果的に今までと同じ辺りにはなっていますが、今年のこのコーヒーの風味傾向と焙煎の工夫により、香ばしさよりは後味にブラウンシュガーを思わせる甘みが漂うコーヒーになりました。

それでも香ばしさよりは、明るい酸が印象的な軽やか系コーヒーになっています。
そういう意味では、ハワイコナ系というよりはブルーマウンテン系の風味かもしれませんね。
全体のバランスは良くて飲みやすいので、いつでも場面を選ばない安定感があります。

【豆についての情報】

生産国：グアテマラ
地域：アカテナンゴ
品種：ティピカ
精製：ウォッシュド