ニカラグア　ラ・エスコンディーダ農園　カツアイ（ぺルラネグラ）

＜最初に飲んだのは２０１７年＞

ニカラグアにはこれまで２回現地訪問しているのですが、その１回目に訪問したミエリッシュファミリーのドライミル「ドン・エステバン」。
そこでたくさんのコーヒーをカッピングしたのですが、その中に聞いたことのない精製方法のコーヒーがありました。

ぺルラネグラ。

英語にすると「ブラックパール」なので黒真珠ということになるのですが、当時はもちろん聞いたことはなかったですし、６年経った今でもここ以外で聞いたことのない精製方法となっています。

当時から気になっていたのですが、今シーズンは初めて当店でも入荷できるチャンスがあり、「まだ作っていたのか」と思いながら、せっかくなので入荷しました。

＜ぺルラネグラってどんな精製方法？＞

摘み取ったコーヒーの実から果肉だけを剥いた状態で、このまま天日乾燥すれば「ハニープロセス」なのですが、薄く広げたこのコーヒー豆を黒のビニールシートで上下を覆って数日置いておくのだそうです。

それ以外は基本的に普通のコーヒー生産と同じ工程なのですが、そうすると青カビが表面に付いた状態になり、まあ他の精製方法と違った感じになるでしょうということですね。

このコーヒー、実は２０１７年に訪問した際にカッピングに並んでいまして、どんな精製方法なのか聞いたら、上記のような説明を受けました。ブルーチーズの製法と一緒というようなことも。

その時聞けた裏話としては、狙ってできたのではなく、普通に天日乾燥していたコーヒーの一部に、たまたま近くに掛けていた黒シートが落ちてコーヒーを覆った状態になってしまったのだそうで、通常と違う工程になったので飲んでみたら面白い風味がしたとのことです。

こちらのエリックさんが教えてくれました。



その時限りのものかと思っていたので、まさか自分で入荷できるとは思いませんでした。

＜予想に反して上品かつ印象的な香り＞

当時の印象はさすがに忘れてしまっていますので、この特殊な精製方法からどんな個性的な風味が出てくるのかな？と考えていました。

特に生豆を見るのは初めてで、確かに今まで見たことのないくらい色とりどりな色合い。欠点豆と正常な豆の線引きが初めて過ぎてよく分かりません。
この見た目がさらに期待感を増加させます。

そしていざ焙煎して飲んでみると、意外にもあっさり上品系。
もっとナチュラル精製やアナエロビコ精製のように個性全開の風味が出てくるのかと予想していたので、完全に予想外でした。
でもその中で、フローラルのような、ハーブのような草系の雰囲気の香りがあるような、複雑な香りがあって、これがなかなかクセになります。

当時の感想はどうだったのか気になって探してみたら、カッピングの記録が残っていました。
「フローラル、クリーン、ジャスミン、ロングアフターテースト」とのことで、ほぼほぼ今の感想と同じでした。間違っていないようです。

焙煎度合は、ハイロースト。
いくつか焙煎度合を試したのですが、これ以上深煎りにすると、苦味が勝ってしまうようです。せっかくの上品さと香りですから、そこが活きるポイントで焙煎したいですね。
浅くすると、ちょっと穀物っぽさというか、雑味っぽく感じられるので、この焙煎度合にしました。

こういった特殊な精製方法が出てくると、ついつい試したくなってしまいますね。
ちょっとお茶っぽさもありますし、軽やか上品系が好きな方はぜひお試しください。

【豆についての情報】
生産国：ニカラグア
地域：ヒノテガ
品種：カツアイ
精製：ぺルラネグラ