ニカラグア　ブエノス・アイレス農園　マラカツーラ（ウォッシュド）

＜実はこちらの方が有名な品種＞

ずーっと前から知っていたのですが、なかなかタイミングが合わずに入荷していなかったニカラグアのブエノス・アイレス農園。
縁あってようやく入荷して販売したところ、かなりの品質の高さにすっかり店主お気に入りの農園になってしまいました。

その時入荷した品種は「カツーラ」。
他の国や農園でもよく見掛ける品種なのですが、今回は「マラカツーラ」です。
実は、このブエノス・アイレス農園にとってはこちらの方が有名です。

せっかく気に入ったのだから、この農園を代表するマラカツーラもぜひ販売したいと思いました。

＜マラカツーラってどんな品種？＞

このマラカツーラは、「マラゴジッペ」と「カツーラ」を掛け合わせて作られた品種。 豆サイズが一般的な品種より倍くらい大きい「大粒品種」になります。

マラゴジッペと何かを掛け合わせた品種は「パカマラ」が最も見掛けますが、見た目もほとんど同じ。ちなみにマラゴジッペも似ているので、マラゴジッペの大粒はかなりの確率で優性遺伝するのでしょう。

では実際の風味はどうかと言うと、こちらもいかにも大粒品種らしい感じです。
パカマラをこれまで扱ってきた経験ですと、一般的には全体に穏やかな風味で丸みのある印象があるので、基本的には飲みやすいコーヒーになります。

ただ、パカマラでは稀にとても個性を発揮する豆を作る生産者がいます。
これは農園のポテンシャルだと思うのですが、このタイプのパカマラは穏やかどころかとても派手で、トロピカルフルーツを連想させる風味を持ちます。

このマラカツーラは、前者の穏やか丸み系の風味です。
ただ、うっすらとトロピカルフルーツ方面に風味が振れそうな気配を感じていまして、どこかのタイミングで化けたりしないかな？と期待しています。

大粒品種は１年を通して扱っている間に風味が変わることが本当にありますので、今後もその辺りはしっかり観察しておきたいと思います。

＜長い期間変化を楽しめる焙煎＞

という訳で、このコーヒーの焙煎度合はシティローストなのですが、少々深め狙いにしています。
このコーヒーはしっかり目に焙煎で熱量を加えてあげた方が奥行きのあるコーヒーになるなあ思ったのと、後味にチョコレート感を残すことで、さらに１杯の満足度を上げられると考えました。

大粒品種は全体的に、焙煎豆の飲み頃が他の豆より遅めに来るイメージがあります。 このコーヒーも１週間経ったところから入り口という感じがします。

ただ、初めの１週間も変化があって楽しめます。 最初３日くらいはトゲトゲしさがありますが、それ以降から段々と丸みと穏やかさが出てきて、１週間経った頃からとてもマイルドになります。

焙煎豆の飲み頃を待つことを「エイジング」と言いますが、かなり分かりやすく体験できますので、その点でもお楽しみいただければと思います。

【豆についての情報】

生産国：ニカラグア
地域：ヌエバ・セゴビア
品種：マラカツーラ
精製：ウォッシュド