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【第6回コーヒーサークル報告】で、リンス問題はどうなった?

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みなさん、こんにちは。カフェカホン店主の平村です。

5月27日(日)に第6回カフェカホン・コーヒーサークルを開催しました。
ちょっと遅くなってしまいましたが、その報告をしたいと思います。

テーマは、「ペーパーの素朴な疑問をやっつけよう!」ということで、

1.リンス問題:ペーパーの湯通しを先にするのとしないのとで味が変わるのか?
2.メーカー問題:円錐型でもコーノとハリオでペーパーを変えると違いがあるのか?
3.漂白問題:白色(漂白)と無漂白(みさらし)で違いがあるのか?

という3つの実験をする予定でした。

ですが、結果から言いますとリンス問題だけで2時間以上やってしまいました。

そもそもリンス問題を取り上げることになったのは、親交のある深沢のカフェテナンゴさんのニコ生にゲストで呼ばれた時に、飲み比べをしたことです。

お互いに「そんなに気にしなくていいでしょ」と思っている立場だったので、軽い気持ちの飲み比べだったと思いますが、実際にやってみると思ったよりもはっきり違いが出てしまって、とてもじゃないですが「気にしなくて大丈夫」とは言えない程でした。

僕も1回はしっかり検証してみたかったことと、1人でやっても信憑性に欠けてしまうということ、そして何よりこういう実験をやってこそのこのコーヒーサークルではないかと思って、今回取り上げました。

そんな訳で、リンス問題で2時間以上も何をしたかということをお知らせします。

こんな流れでやりました。

今回は5人の精鋭(本当に精鋭)の方々にご参加頂いて、僕も含めて6人で開催しました。

まずは僕が普通にリンスしたペーパーとしていないペーパーで淹れて飲み比べしました。
この時点で、カフェテナンゴさんのニコ生の時に感じたような違いが出ていました。

リンスしたペーパーの方がスッキリした印象のコーヒーになる。

良い言い方をすると「スッキリ」。悪い言い方をすると「コクに欠ける」という印象のする風味になります。
でも敢えて悪い言い方をしなければいけないような、不味いと思わせるものではないです。

この後の検証は、このスッキリ感がいろいろなパターンで試しても共通して出るのか。
どの段階で影響が出るのかという部分に絞って行っていくことになります。

次に試したことは、どの段階で影響が出るのかという検証のため、抽出液を各ペーパーでろ過した場合の飲み比べをしました。

この抽出液の段階では、成分が減っていない状態が望ましいので、ステンレスフィルターを使ったエアロプレスで抽出したコーヒーを用意して、それぞれでろ過しました。

この実験でも感じた味の印象は同じで、リンスしたペーパーの方がスッキリしました。

ということは、特に抽出の初めからやらないと影響が出ないという訳ではなく、フィルターとしての能力に違いが出るのではないかという疑問が湧きます。

ということで、次に参加者の方から上がった実験方法は、「コーヒー液でリンスしたらどうなるかな?」ということだったので、さっそくやりました。

「コーヒー液でリンスする」までやり始めたら、さすがに自宅で自分ひとりでは厳しいと思います。いよいよこのサークルの本領発揮という感じになってきました。

この結果は興味深いもので、お湯でリンスしたコーヒーだけスッキリした印象で、コーヒー液でリンスしたものはリンスなしに近い風味でした。

これを受けて議論をしていた内容としては、

・お湯で濡らすことでペーパーの状況が変化して、通常抽出される成分を通さなくなるのではないか。
・フィルターを通らなくなっている成分は油分か?
・水がフィルターに先着していることで、油分が弾かれている?

・乾いているペーパーとコーヒー液でリンスしたペーパーが味が似ていることから、ペーパーにコーヒーの成分が染み渡らないと通過しないのではないか。
お湯だけがペーパーに含まれている状況では、成分が染み渡るのに時間がかかり、コクの少ない風味になっているのではないか?

・じゃあ、通過していない成分があったとして、それはドリッパーの中に残っているのではないか?
・そしたらドリッパーの中の出がらしに味が残ってるってこと?
・どこに残ってるかは分からないけど、その可能性もあるかもしれないね。
・じゃあ、その出がらしをもう1度抽出したら、味が違うんじゃない?

という「今できそうな範囲」での議論がなされた結果、出がらしでカッピングをすることになりました。

これは褒め言葉として受け取って頂きたいですが、ここまで来たらもう変態です。
ただ、この場がとても良い感じに煮詰まって、その場でしかできないような検証をみなさんで議論した結果、2時間でここに辿り着いていることはすごいなあと純粋に思いました。

このカッピングの結果は、リンスしていないペーパーの味が一番強く感じられたのですが、これは出がらしのサンプルが完全にフェアな状況ではないかもしれないということで、参考程度に留まりました。

でも、個人的な印象では、どうやら出がらしに残るということではないように感じました。

カフェカホンとしてのリンス問題への結論。

今回、サークルで実験した結果、「お湯でリンスをすると、スッキリとした軽い印象のコーヒーになる」ということで参加者全員で一致しました。

ただ、何でこうなるのだろう?ということをしっかり検証するためには、もっと多くのサンプル量と、いろんな形での検証、さらにはコーヒーに溶け込んでいる成分の分析というような、1件のコーヒー屋ではできないようなことまで含めないと解明は厳しそうです。

ですが、前述のように個人的には「そんなに変わらないでしょ。」と思っていた立場でしたから、その意見は変えざるを得ないと思います。

なので今後は、「お湯でリンスするとスッキリした感じになるので、抽出時の1つのオプションとして使えるテクニック」という考えに改めます。

結果の味に対する評価は好みにかなり依存してしまいそうなので、リンスする、しないでどちらが優れた抽出方法かという判定をするつもりはありません。
特に悪いことが起きる訳ではなさそうなので、好みに合わせてもらえれば大丈夫でしょう。

ですが個人的には、リンスしてコクを感じる成分が抽出されにくいというのは望んでいないということと、毎回事前にリンスすること自体が手間になるので、標準の抽出方法として取り入れるつもりはなく、これまで通り「リンスなし」でやっていきたいと思います。

長くなりましたが、今回の報告は以上となります。

今回、一切できなかったペーパーのメーカー問題、漂白問題については、次回以降に持ち越しになります。
メーカー問題については、せっかくですのでコーノ、ハリオに限らず、他のメーカーのペーパーも持ち寄って頂いて、開催できらたいいなあと思っています。

第7回のコーヒーサークルは、まだ決定ではないですが6月17日(日)が濃厚です。
テーマは未定ですが、このペーパーの続きにするか、また別のものが思いついたらそれにしようと思います。
決まりましたら、お知らせします。

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  1. 大庭周平 より:

    ご無沙汰してます。SENの大庭です。
    私もこれ試したことがあるんですが、同じような感じになりましたね。粉のメッシュとか変えるとまた違ってきたりするのですが。
    私もなぜそうなるのかを考えて、浮かんだことは、リンスすることによって、ペーパーの温度とペーパーが持つ蓄熱量の変化が影響を与えるのではないかと言うことでした。
     リンスしたあと、本番の抽出液に触れるまでにペーパーの温度が下がり、抽出液と接触したあともペーパーが抽出液と同等の温度になるまでに時間がかかる。この間に高温でないと液化しにくい成分(油分など)がペーパーの繊維等の隙間に付着して、その後から温度が上がっても、繊維の隙間から抜け出せないのではないかと考えました。
     特にコーノ式のオフィシャルな抽出法だと最初に濃い液が出ますので影響が大きいのではないかと。
    あくまで仮説で、どうやったらそれを実証できるかもわからないのですが、まあ、そんなこと考えました。
    ネルドリップもぬらして使いますが、ペーパーよりは目が粗いために、油分もおちるのではないと思います。
    凄く楽しい実験で、私もお客さんとこう言うことやってみたいなと思いました。いろいろ準備は大変だと思いますが、続けていってもらいたいです。

     ではまた。

    • カフェカホン 平村 より:

      大庭さん、こちらこそご無沙汰しています。コメント頂きましてありがとうございます。
      やはり前に試されたことがあるのですね。
      味の違いの傾向が似た感じになったということで、参考になります。

      蓄熱量という解釈はさすがに僕らでは出ませんでした。
      この辺りはあまりに知識が無さすぎるので、予想がつかないのが正直なところです。
      不勉強ですみません。

      いずれにしても、「リンスをするとペーパーフィルターに変化が起きて、リンス無しでは抜ける成分が抜けにくくなっているのだろう」という予想が最も自然なのかなと思っています。
      その抜けにくくなっている成分が何か、抜けにくくなっている原因は?となると、かなり難しい検証になって、手に余るというのが現状でしょうか。

      ネルの話はサークル内でも軽く出まして、おっしゃる通り問題なくコクが出るんですよね。
      理由はやはり目の粗さの違いと読んでいます。
      だとすると、やはり抜けにくくなっている主な成分は油分で、リンスすることで影響を受けるのかな?というところでしょうか。

      今回、改めてこういった実験は複数人でやった方が楽しくなるなあと思いました。
      限られた環境ですから、真実を解明するのは難しいですが、この真実に迫れるワクワク感はコーヒーの楽しみ方の1つだと思います。
      出来る限り、今後も続けて行きたいです。

  2. Nakamura より:

    レポート、大変面白く拝読しました。
    前に私が勝手に予想したリブ構造の問題ではなく、抽出される成分に違いがあるようだという結論ですね。参考になります。
    読んでてふと思ったのですが、通常のドリップにおいて、最初の蒸らしの時に少し落ちてくるコーヒー液を取り除いた時と、なんとなく近い感じになるのかなと思いました。
    蒸らしの時に出てくるコーヒー液だけを、舐めてみたことがあるでしょうか?
    ちょっと舌が痺れるような、結構エグい味の液体です。
    ですが、これが有ると無いとでは大違いで、この部分を取り除くとかなりスッキリした印象のコーヒーになります。
    もしかしたら関係あるかも、と思って書いてみました。

    SENの大庭さん、大変ご無沙汰しております。中村です。
    じつは数年前に思うところあって禁煙しまして、それ以来タバコ可の店は避けるようになっているので、SENにもずっと行けてません。すみません。
    大庭さんの温度による違いという説も、一理あって面白く拝読しました。
    しかし、ペーパーの蓄熱量というのは、ちょっとどうかなと。
    確かに水は比熱の大きな液体ですが、高々数十ミクロンの厚さの紙が含んでいる水の量で、そこまで影響が出るものだろうかと疑問に思いました。
    蓄熱量というなら、ドリッパーの壁の材質や厚みの方が、影響するのではないかと。
    温度によって影響があるとするなら、熱湯でリンスしたペーパーと冷水でリンスしたものを比較してみれば、何か違いが出るかもしれませんね。
    大庭さん、また機会があればお会いしたいと思っています。

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